Spinaはラテン語で「背骨」という意味。くずれた姿勢で座っても、エラストマー樹脂を採用したことで腰を支えることで理想のS字カーブの保持を実現させました。
SPINA=背骨(ラテン語)
ダイナミックに座面と背もたれが動き常に腰と背中を支え続けるためのチェア。従来のオフィスチェアは、“深く座りかつ直立および後傾の姿勢”を前提に設計されていました。しかし、着座姿勢の定点観測の結果、理想的な姿勢・着座をしている時間は3割程度であることがわかりました(イトーキ調査)。この問題を解消するため、くずれた姿勢で座っても、腰を支えることで理想のS字カーブの保持を実現したオフィスチェア。それがスピーナです。
パッシブスライドシートとアクティブランバーサポートの連動
開発の焦点は、浅掛け、すなわち背もたれから離れて座った腰をいかにサポートするかにありました。そしてイトーキがだした結論が「チェア自らが動き積極的に座る人を支える機構」スピーナの最大の特徴「パッシブスライドシート&アクティブランバーサポート機構」でした。
パッシブスライドシートとは、人が腰をおろすと自動的にシートを背もたれのほうに引き込み、着座位置を背もたれに近づける機能です。またアクティブランバーサポートとは座面の動きに連動して背もたれのランバーサポート部分を前方に押し出す機能です。この二つの動きを連動機能させることで浅掛けでもしっかりと腰を支えることが可能になりました。
素材と仕上げ エラストマー素材(写真左)
樹脂とゴムの中間的な素材「エラストマー」を縦リブ形状にレイアウト。デザイン性を際立たせると同時に、べたつき感や無機質な肌触りといった弱点を解消しました。また、背中との間に空気の層を作ることで、理想的な温度調節をも実現しています。
ベース素材(写真右)
アルミミラー、メタリックシルバー、ブラックと3種類がお選び頂けます。
クロス素材とインナーシェル
一見オーソドックスなクロス素材。しかしながら、その内部には大きくたわむインナーシェルを内包。またフロントベンディングシートは座面内にたくさんのスリットを入れたインナーシェルを組み込み、座面と体の接触面積を拡げ、体圧を平均化します。スイートスポットを前方に拡大することで、深掛け時から約100mm前に座っても同レベルの体圧分布を実現しました。
アクティブランバーサポート 操作箇所:背面後部裏側左レバーを下げる
背もたれランバー部が前方にせり出します(約50mm)。浅掛けを未然に防ぎます。またパッシブスライドシート機能により着座と同時に座面が座が沈み込みながら後方へスライド(約50mm)します。浅掛けを未然に防ぎます。浅掛け/深掛け、前傾/後傾 にあわせてランバーが腰をサポートしながら自動的に前後します。最大約70mmストロークします。
ランバーサポートストッパー 操作箇所:背面後部裏側左レバーを上げる
座席前背もたれランバー部のせり出しをとめ、初期位置からの前方への動作を固定することができます。※ロックしても後方へは可動します。
ロッキングレンジ調整 操作箇所:背面後部裏側右レバー
ロッキングの後傾角度の範囲を、最大後傾/中間/初期固定の3段階に調整可能。簡単なレバー操作で行え、仕事の内容に合わせて手軽に調整できます。
シートハイト調整 操作箇所:座面右側下のレバー
身長に合わせて、レバー操作により座面高さを簡単に調節できます。
アームレスト調節 操作箇所:アームパッド
アジャスタブル肘は最大100mmまで11段階(約10mmピッチ)の高さ調整が可能です。また内側に40°まで3段階(20°ピッチ)の角度調整が可能です。アームレストの表面にエラストマー、内側にはウレタンをしようすることでソフトな使い心地を実現しました。
リクライニングの硬さ調節 操作箇所:座面右下の長いノブ
硬くする:ノブをプラス+の方向(座った状態で前方向)に回します。
柔らかくする:ノブをマイナス-の方向(座った状態で後ろ方向)に回します。
仕様
背:エラストマー樹脂または布地張り
座:布地張り
背支柱:強化ナイロン樹脂
背ブラケット:アルミダイキャストミラー仕上またはアルミダイキャスト粉体塗装
肘当て:エラストマー樹脂+ウレタン肘受け:アルミダイキャストミラー仕上またはアルミダイキャスト粉体塗装
脚: アルミダイキャストミラー仕上また アルミダイキャスト粉体塗装また強化ナイロン樹脂(T1)、ナイロン双輪キャスター付
無意識のうちに最良の座りに誘導され、後になってからその快適性に気付く。
スピーナは、相手を察する日本の「もてなしの心」を体現したチェアです。
日本家屋の柱や梁の美しいバランス、立て格子の障子から入り込む柔らかな光などをデザインに取り込み、モノのあり様においても共通する美意識を貫いています。